自筆証書遺言の作り方⑩-豆知識

今回は、遺言者が亡くなった後の、遺言書の検認手続きについて、確認していきます。
自筆証書遺言は、この検認手続きを経ないと、遺言内容を実行(相続手続き)することができない為、しっかり確認していきましょう。

自筆証書遺言の検認とは

自筆証書遺言の遺言者が亡くなった場合、遺言書を保管していた人や、遺言書を発見した相続人は、速やかに家庭裁判所に対し、遺言書の検認の申し立てをしなければなりません。

これは、遺言書の偽造などを防止するためと、相続人全員に対して、遺言書の存在を知ってもらうためです。

検認申し立てに必要な書類

遺言書検認の申し立てをする際には、遺言者が亡くなった時から、出生にさかのぼるすべての戸籍・除籍・改制原戸籍の謄本や、相続人全員の戸籍謄本が必要になります。

遺言者の方が、高齢でお亡くなりになった場合や、籍を何度も移動していた場合には、数多くの戸籍等の謄本が必要となります。

家庭裁判所での検認手続き

家庭裁判所が、遺言書検認の申し立てを受けると、相続人や利害関係人の立会いの期日を定めて、相続人全員と利害関係人に対して、呼出状を発送します。

この呼び出しは、単に遺言書の存在を、相続人等に知らせるためのものであるため、この立会期日に欠席したとしても問題ありません。
そのため、実際には、遺言書に関心のある相続人のみが出席するというケースが多いです。

検認手続きの効果

検認手続きは、上記でも確認したとおり、偽造などを防止するために行われるものであり、その有効性を確認するためのものではありません。
したがって、遺言書の検認手続きを経たからといって、その遺言書が有効なものであると確定された訳ではありませんので、注意してください。