相続に対する基礎知識と遺言書がある場合の相続手続きについて

相続とは被相続人が死亡した際に相続人が財産などを受け継ぐことを指しており、相続手続きをするためには被相続人と相続人の関係をしっかりと理解する必要があります。そして相続する財産は現金以外に預貯金や土地などの不動産、および株式やゴルフ会員権や自動車などが含まれます。ただし墓地や墓石および仏壇仏具などは相続財産には含まないものとしており、さらには被相続人にかけられていた生命保険に関しては受取人に指定されている人の財産として相続対象の財産からは外されます。また当然ながら被相続人が受けとっていた年金の受給権も相続されることはありません。そして、注意しておきたいのは相続対象となる財産がプラスの財産ばかりではなく、マイナスとなる借金の財産も存在しているということであります。このマイナスの財産とは被相続人が抱えていた借金や保証による債務などが含まれており、遺言書の有無に関わらず相続手続きを開始する際にはプラス遺産だけでなくマイナスとなる遺産もしっかりと調査しなければならないのです。そしてプラスとなる遺産よりもマイナスとなる遺産が大きい場合には、遺言書が存在したとしましても遺産放棄の手続きを速やかに済ませないと全ての遺産を相続する義務を負うことになるのであります。ただし特別な事情があることで、相続の放棄手続きが遅れた場合にはこの限りでありません。 そして相続人の対象者は財産を受け取るために相続手続きを行う必要があり、被相続人の遺言書が存在する場合には定められた方法で相続手続きを進める必要があります。この場合にはまず封印されている遺言書を家庭裁判所にて検認を受ける必要があり、相続人およびその代理人の立会いのもとで開封することとされております。ただし公正証書遺言の場合には検認の手続きが不要となっておりますので、近年におきましてはこの公正証書遺言が増加傾向にあるとされております。その後該当する財産に関してプラス部分とマイナス部分をしっかりと調査することになるのですが、相続金額に関わる部分となりますので漏れの無いように気を付ける必要があります。ここでしっかりと相続財産を法定相続人が確認できましたら、遺言に従って相続を執行することとなるのであります。それから注意しておきたいポイントとしまして税金があるのですが、被相続人に納めなければならない所得税などの税金が存在する場合には当然ながら納税手続きをしなければならないのです。また相続を受けた法定相続人は相続税を忘れずに納めなければならないのですが、期日としましては相続開始を知った日から10カ月以内と定められております。 それから、遺産の相続手続きを進める上で重要な項目として遺産分割協議があります。これは被相続人が遺言書を作成していた場合におきましても、法定相続人間で遺産分割を協議しなければならないケースがあるのです。具体的には遺言書の内容が相続割合のみを指定している場合には、相続手続きを進めるために現金以外の財産を分割する場合に協議が必要となるのです。また遺言書の内容を無視して遺産分割をすることも可能とされており、法定相続人の全員が賛同するならば遺言内容と異なる遺産分割をすることも可能とされております。それから相続には遺留分の存在があることも重要であり、遺言書の内容によりまして遺留分が侵害されてしまっている場合にはその権利者が遺留分減殺請求を行使することが可能であるとされています。ただし遺留分減殺請求権は、権利者が減殺すべき権利を知ってから1年および権利の存在を知らなかったとしても10年経過してしまうと失効するとされていますので、認識しておく必要があります。それからこれらの相続に関する問題は非常に複雑であり、法定相続人の人数が多いと相続手続きを進めることが非常に難しいとされております。そこで相続手続きの専門家に依頼することが推奨されており、一般的には司法書士や弁護士に依頼することが良い方法であると考えられています。